南山城址(糸満市)

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 糸満市高嶺(いとぅまんしたかんみ)んかいや琉球(るうちゅう)三山(三国)ぬ一(てぃい)ちやたるた南山(山南)ぬあたん。うぬ王統ぬ承察度ぬ世(ゆう)んじ、むっとぅん栄(さけ)えとおたんでぃ言ゃっとしが、他魯毎(たるみい)ぬ世なてぃから中山(首里)なかい滅(ふる)ぶさったん。明(中国)ぬんかい朝貢船出(ちんくんしんん)じゃちょおたるあたいやくとぅ、城(ぐしく)ん大(ま)さたる筈(はじ)やしが、今残(なまぬく)とおる城お本殿(うどぅん)ぬあたる所(とぅくま)びけんがやらんでぃ思(うま)ありいるあたい、ぐなさんあい、平地(とおばる)んかいどぅある。本当(ふんとう)や下(しちゃ)ぬ嘉手志泉(かでぃしがあ)まんぐら迄(まで)え外壁ぬあたんでぃ考えいねえ、くうてんや高台(たかどぅくる)んかいあぬ大ぎ城あらんたがやあんでぃち思ありいしが、ちゃぬ風儀(ふうじい)がやいびいら。


【日本語意訳】糸満市高嶺には琉球三山の一つであった南山城址がある。承察度王時代に栄え、他魯毎時代に中山に滅ぼされた。残っている部分は本殿跡ぐらいじゃないかと思われるほど小さく、しかも一見「平地」にあって城らしくない。下の嘉手志川付近まで外壁あったとすれば、少しは高台にある大きな城だったかもしれないと想像できるのだか

 2010年3月14日投稿分

【語句】
高嶺んかいや=高嶺には。
一ちやたる南山 ぬ あたん=一つだった南山 が あった。
うぬ王統=その王統。
世んじ=時代に。
むっとぅん=最も。
栄えとおたんでぃ言ゃっとおしが=栄えていたと言われているが。
中山なかい 滅ぼさったん=中山に 滅ぼされた。
明ぬんかい=明に。「明(みん)」の語尾が「ん」であるあため、「んかい」は「ぬんかい」となる。
出じゃちょおる あたい やたくとぅ=出していた ほど だから。
城ん 大ぎさたる筈 やしが=城も 大きかった 筈 だが。
今残とおる城お=今残っている部分は。
本殿ぬあたる所びけんが やら んでぃ=本殿のあった所だけ なのか と。
思ありいる あたい=思われるほど。
ぐなさんあい=小さくもあり。
平地んかいどぅある=平地にこそある。「どぅ」は強調助詞。
嘉手志川まんぐら までぃ=嘉手志川 付近 迄。
あたんでぃ 考えいねえ=と考えると。
くうてんや=少しは。「くうてのお」でも良い。
大ぎ城 あらんたやがやあ んでぃち=大きい城 だったのでは と。
思ありいしが=思われるが。
ちゃぬ風儀がやいびいら=いかがだろうか。この文は慣用句として覚えたほうが良い。

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