浜比嘉島(ばまひじゃじま)ぬ北東んかいたっくぁとおるアマジンでぃゆる岩島(しいじま)。琉球開闢(るうちゅうくぁいびゃく)ぬ祖(す)んで言ゃっとおるアマミチュウ(アマミ人)ぬ墓んでぃさっとおる洞穴(がま)ぬあん。近くんかいやシルミチュウぬ御嶽(うたき)んあん。二人(たい)や男(ゐぎが)とぅ女(ゐなぐ)ぬニ神(にしん)んでぃさっとおしが、実(じゅん)ねえアマミや古代水軍海人部族(くでえあまびしいぐん)ぬ事(くと)おあらに。あんしシルミチュウ(白っちゅ)んでえ、先住民(しんじゅうみん)がやたら、あらんでえアマミチュウぬ別称(びっしゅう)がやら。「おもろさうし」んでえぬ詩歌うとおてえ、対句形式(ちいくきいしち)ぬあしが、対句ぬばあや、いいくる別称とぅすぬ事ぬまんどおん。(例:「うりじん」ぬ対句「若夏」)。うぬ島ぬ後(くさあ)んかい、基地ぬ縮小(しゅくしょう)整理(しいり)とお全(まった)ち、逆(さか)やる普天間基地(ふてぃんまちち)ぬ移設先(いしちさち)とぅし大(ま)ぎ基地造(ちゅく)らんでぃそおん。モズク生産日本一(しいさんにふんいち)ぬちゅら海ぬ汚(ゆぐ)さらんでぃそおん。
【日本語意訳】
浜比嘉島の北東にあるアマジン。琉球開闢の祖といわれるアマミチュウ(、アマミキヨ、アマミ人)の墓とされる洞穴がある。近くにシルミチュウ(シネリキヨ、白い人)の祠もある。「二人」は「男女ニ神」と言われるが、シルミチュウは先住民かアマミチュウの別称(詩歌では対句形式)ではないのか。「おもろさうし」はじめ古謡などにおいては、よく対句形式が見られるが、対句は概ね、互いに別称である事が多い。(例:「うりじん」と「若夏」)。アマミチュウは古代海人部水軍族(アマベ)の事で、何らかの都合でその昔琉球まで流れ着いた部族の事ではなかろうか。普天間の移設案として、基地の縮小整理の方向とは全く逆に、巨大基地の建設が構想されている。モズク生産日本一の美しい海が汚されようとしている。
2010年3月14日投稿分
【語句】
浜比嘉島(ばまひじゃ)=うるま市勝連沖にある。島のエイサーは屋慶名エイサーの元祖となった。
たっくぁとおる=くっついている。終止形は「たっくぁゆん、たっくぁっゆん」。「た」は接頭語で、「くぁゆん」は「付く」の意味。「たっくぁあすん」(「くっ付ける」)はその他動詞。
アマミチュウ=文語は「アマミキヨ」。「キヨ」は口語音では「ちゅ」であり、「人」という意味。したがって、特定の個人の名前ではなく、民族や部族を指すと考えられるがどうであろうか。浜比嘉には口「アマミキヨ伝説」が口語で伝わっている。
シルミチュウ=文語では「シネリキヨ」。同じく「キヨ」は「人」。
言ゃっとおる=言われている。
墓んでぃ さっとおる=墓と されている。
洞穴ぬ あん=洞穴が ある。
近く んかい や=近く に は。「近さんかいや」でも良い。
ニ神んでぃ さっとしが=二神だと されているが。
実ねえ=ほんとうは。
海人部水軍=沿岸部に居住してた部族で、古代には水軍としても活躍した。海人部、津守、安曇などの部族がいた。
先住民がやたら=先住民だったのか。
あらんでえ=そうでなければ。
別称がやら=別称なのか。
うぬ島ぬ くさあ んかい=その島の 後ろ側 に。
まぎ基地造らんでぃそおん=大きな基地を造ろうとしている。
汚さらんでぃ そおん=よごされようと している。
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