うちなあぐちしえ「ディグぬ花」んでぃ言(ゆ)ん。
ディグぬ花や、いいくる民謡ぬ歌詞んかいん使あらっとおん。
「♪デイゴの花の咲く頃は~」(民謡「沖縄育ち」黒島英章作詞作曲)、「♪我んやディグぬ花~」(民謡「でいごの花」知名定繁作詞作曲)、「♪デイゴの花が咲き~」(「島唄」ザ・ブーム)んでえ。
肝(ちむ)ぬ思(うみ)いがやら、じるん悲(な)ちかさるメロディーやん。うちなあんじえ昔(んかし)からディグぬ花ぬ、自侭咲ちいねえ、強(ちゅう)ばあ台風(ううかじ)ぬ来(ち)ゅうんとぅか、厄知(やくし)らしんでぃち伝(ちて)えらっとおん。
ザ・ブームぬ「島唄」んかい有(あ)ぬ「デイゴの花が咲き嵐が来た」ぬ歌詞え、沖縄戦(うちなあしん)うとおてぃぬ「鉄の暴風」、言いどぅんせえ、艦砲射撃、空襲ぬ意味なやあに、あんし又「島唄よ風に乗り届けておくれ」ぬ歌詞や「沖縄戦の悲惨さを本土に伝えて欲しい」んでぃぬ意味やんでぃぬ事やん。
台風や自然(しじん)ぬむんどぅやくとぅ、済(し)まさりいしが、普天間基地移設問題(ふてぃんまちちいしちむんでえ)ねえぬ人災や持(む)ち来(く)うんてぃん済むさ。
2010年4月14日投稿分
【語句】
うちなあぐち しえ=沖縄語 では。「うちなあ」は文語「おきなわ」の口語音。和語同様に五母音を基本とする文語から口語音へ変換する法則は概ね次の通り。(和語風文語が五母音が三母音に纏まられることから、かつて琉球語には三母音しかないと囁かれた頃があったが、「文語から口語への変換法則」以外では立派に五母音が存在する。)
A→A,I→I,U→I又はU、E→I,O→U、語尾のRI→I(Rが脱落),語尾のWA→A(wが脱落)、KI→CHIなどとなる。この法則で、「お→う」、「き→ち」、「な→な」、「わ→あ」となる。したがって、「おきなわ→うちなあ」となる。「おきなわ」という表記は「おもろさうし」にもある。
んでぃ 言ん=と 言う。
ディグぬ花や=デイゴの花は。
いいくる=よく。頻度が高い場合について言う。
歌詞んかい=歌詞に。
使あらっとおん=使われている。
んでえ=など。
肝ぬ思い がやら=気のせい なのか。「肝ぬ思い」で「気のせい」。
じるん=どれも。「いずれも」に対応する語。
悲ちかさるメロディーやん=悲しいメロディーである。「やん」は「である」「だ」を表わす存在動詞(日本語の形容動詞に限りなく近い)。「なちかさん」は日本語の「悲しい」。では、「なつかしい」ことを何と言うか言うと、「あながちさん」という。
うちなあん じえ=沖縄 では。
自侭咲ちいねえ=咲き乱れると。満開になると。
強ばあ台風ぬ来ゅうん とぅか=強い台風が襲来するとか。
厄知らし んでぃち 伝えらっとおん=厄知らせ だと 伝えられている。
「島唄」んかい 有ぬ=「島唄」に ある。
歌詞え=歌詞は。
沖縄戦うとおてぃぬ=沖縄戦における。
言いどぅんせえ=言わば。
意味なやあに=意味となり。「意味なやい」、「意味なやあま」、「意味なてぃ」でも良い。
あんし又=そしてまた。
んでぃぬ意味やんでぃぬ事やん=という意味だという事だ。
自然ぬ むん どぅ やくとぅ=自然 の もの (なの)だから。「どぅ」は前語を強調する助詞。文脈によっては訳に苦労するが、ここでは「なの(だから)」ぐらいに訳した。
済まさりいしが=済まされるが。
ねえぬ人災や=のような人災は。
持ち来うん てぃん 済むさ=持って来なくても良いよ。「さ」は感情を表わす終助詞。
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