爬竜橋(豊見城市、那覇市)

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 那覇(なあふぁ)市とぅ豊見城(とぅみぐしく)市、隔(ふぃ)ざみとおる漫湖んかい掛かとおる爬龍橋。あがたんかい見(み)ゆしえ、とよみ大橋。
 くまりかあや那覇市古波蔵(ふくふぁんぐぁ)成とおん。漫湖ぬ周(まあ)いや、いいくる公園(こういん)なてぃ、童(わらび)ん達(ちゃあ)から御年寄(うとぅすい)いん達迄(までぃ)、遊(あし)どおる姿(しがた)ぬ見(み)ゆん。
 昔(んかし)え、旧ぬ三月五日(さんぐぁちぐにち)ぬ日(ふぃい)ねえ、女(ゐなぐ)ん達(ちゃあ)ぬ、国場川(くくばがあ)から那覇ぬ若狭(わかさ)海岸まんぐら迄、「流り船(ぶうにい)(屋形船)」んかい乗(ぬ)てぃ、唄歌たい、舞(もう)たい、くぁっちい食(か)だいさあに、遊だんでぃぬ事(くとぅ)やん。今(なま)あ潮(うす)ぬ引ちいねえ、干潟風儀(かたばるふうじい)けえ成てぃ、屋形船そおなむんや通(とぅう)ららん。

 2011年3月15日投稿分

【語句】
那覇市とぅ豊見城市、隔ざみとおる=那覇市と豊見城市を隔てている。
漫湖んかい掛かとおる爬龍橋=漫湖に掛かる爬龍橋。
あがたんかい見ゆしえ=向こうに見えるのはとよみ大橋。「こちらがわ」は「くがた」という。
くまりかあや=こちら側は。「くがたあ」でもよい。「うりかあ」は「そこら辺」。
 例文:「汝(いやあ)や 何(ぬう)、とぅめえとおが」(君は 何を探しているんだ)
    「うちゅくい どぅ、とぅめえとおしが」(風呂敷を探しているのだけど)
    「うりかあ んかい 無(ね)えらに」(そこら辺 に ないか)

那覇市古波蔵成とおん=那覇市古波蔵である。「~古波蔵やん」でもよい。
漫湖ぬ周いや=漫湖の周囲は。
いいくる公園なてぃ=だいたいは公園になっていて。「公園なやあに」、「公園なやあい」でも良い。
童ん達から御年寄いん達迄=子どもからお年寄りまで。
遊どおる姿ぬ見ゆん=遊んでいる姿が見られる。「見ゆん」は口語では「見いゆん」を多く使う。
昔え、旧ぬ三月五日ぬ日ねえ=昔は、旧暦の三月五日には。
女ん達ぬ=女達が。
国場川から那覇ぬ若狭海岸まんぐら迄=国場川から那覇の若狭海岸まで。
「流り船(屋形船)」んかい乗てぃ=流れ舟(屋形船)に乗って。
唄歌たい=唄を歌ったり。
舞たい=踊ったり。
くぁっちい食だいさあに=ごちそうを食べたりして。「くぁっちい食だし」でもよい。
遊だんでぃぬ事やん=遊んだということだ。
今あ潮ぬ引ちいねえ=今は潮が引けば。「引ちいや」とも言う。
干潟風儀けえ成てぃ=干潟のようになってしまい。「けえ」は「~してしまう」を表わす副詞で、動詞などの前に付く。
屋形船そおなむんや通ららん=屋形船のようなものは通れない。「屋形船そおなむんや」の言い方は、「屋形船ねえぬむのお」、「屋形船ねえそおるむんや」などのバリエーションがある。

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