ディグぬ花(南城市)

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 ディグぬ花(はな、ふぁな)んでえ、日本(にふん)ぬ桜とお同(い)ぬむん、うちなあんじえ、節変(しちが)いぬ花なとおん。

 どぅく真っ赤(か)あらあし、実(じゅん)に、南国(なんぐく)うちなあぬ県花(きんくぁ)とぅしち、似合(なわ)あさん。

 民謡(ふぁあうた)にん、多(うふ)く歌あらっとおん。「でいごの花の咲くころは真紅な日陰で子守唄(沖縄育ち)」、「ディグぬ花でんし節待(しちま)ちど、咲ちゅる 我身(わみ)ん節待ちゅる嬉(うり)さ(でいごの花)」、「でいごの花が咲き風を呼び嵐がきた(島唄)」。

 やしが、節成てぃん咲かんディグんあん。「嵐呼ぶる花」んでぃん言(い)ゃっとおしが、いちゃっさ咲ちん、台風(ううかじ)ぬ来(く)うん年(とぅし)んあん。

 2011年5月1日投稿分

【語句】
ディグぬ花んでえ=デイゴの花というのは。
日本ぬ桜とお同ぬむん=日本の桜と同じく。「同ぬむん」は「ゆぬむん」ともいう。
うちなあんじえ=沖縄では。「おきなわ」は「うちなあ」の文語表記。
節変いぬ花なとおん=季節代わりの花となっている。
どぅく真っ赤あらあし=あまりにも真っ赤になって。
実に=本当に。
南国うちなあぬ県花とぅしち=南国沖縄の県花として。
似合(なわ)あさん=ふさわしい。
民謡にん=民謡にも。
多く歌あらっとおん=多く歌われている。
でいごの花の咲くころは真紅な日陰で子守唄(沖縄育ち)=(日本語歌詞なので略)
ディグぬ花でんし=でいごの花でさえ。「でんし」はやや文語的。口語では「花んちょおん」。
節待ちど=季節をまって。「ど」は強調助詞「どぅ」の文語表記。
咲ちゅる=咲くのである。前の強調助詞「ど」を受けて、「咲ちゅん」を連体形で結ぶ。
我身ん=私も。「我身(わみ)」は文語。口語では「我(わん)にん」「我(わ)ぬん」等を使う。
節待ちゅる嬉さ=季節を待つ嬉しさ(よ)。
でいごの花が咲き風を呼び嵐がきた=日本語歌詞なので略。
やしが=だが。
節成てぃん=(その)季節になっても。
咲かんディグんあん=咲かないでいごもある。
嵐呼ぶる花=嵐を呼ぶ花。「嵐」は文語(組踊等)。口語では「ううかじ」等を使う。
んでぃん言ゃっとおしが=といわれているが。
いちゃっさ咲ちん=どんなに咲いても。
台風ぬ来うん年んあん=台風の来ない年もある。

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