沖縄(うちなあ)らあさる景色(ちいち)え、色々(いるいる)あしが、写真ねえぬ石造(いしじゅく)いぬ門口(ぞうぐち)ん、うぬ一(てぃい)ちやん。
石垣道(いしがちみち)ぬ如(ぐと)とおしが、門口ぬ一部どぅ成とおる。たんかあぬ石垣ゆ左(ふぃざい)んかい曲がてぃ行(い)ちいねえ、大赤瓦家(うふあかがあらやあ)ぬあん。
真っ直(し)ぐに来(ち)ゅうる魔物(まじむん)ぬ入っち来(く)うんねえし造(ちゅく)てえる積(ち)むええやん。
くんな景色え、我(わあ)がくうさいにいや、まあにんあたる景色やしが、今(なま)あ、大概(てえげえ)ぬ田舎んかいん行(ん)じん、なあ見(み)いらんなとおん。殊(かわ)てぃ、今ぬ建売や、いいばいくぁあさいし、建てぃらっとおしが、昔(んかし)ぬ屋敷(やしち)え、実(じゅん)に、広(ふぃる)さぬ、ゆちみぬまんどおたん。
2011年5月15日投稿分
【語句】
沖縄らあさる景色え=沖縄らしい景色は。「おきなわ」は「うちなあ」の文語表記。
色々あしが=いろいろあるが。
写真ねえぬ石造いぬ門口ん=写真のような石造りの門も。「写真ねえそおる」という言い方でもよい。
うぬ一ちやん=その一つである。
石垣道ぬ如とおしが=石垣の道のようであるが。
門口ぬ一部どぅ成とおる=門の一部となっている。
たんかあぬ石垣ゆ=突き当たりの石垣を。「たんかあ」は「(真)向かい」、「正面」などの意味がある。
左んかい曲がてぃ行ちいねえ=左に曲がって行けば。
大赤瓦家ぬあん=大きい赤瓦の家がある。
真っ直ぐに来ゅうる魔物ぬ=直進する魔物が。
入っち来うんねえし=入って来れないように。「入っち、来ららんねえし」という言い方もある。
造てえる積むええやん=造ったつもりである。
くんな景色え=このような景色は。「くぬゆうな景色」という言い方もある。
我がくうさいにいや=私が幼い頃は。
まあにんあたる景色やしが=どこにでもあった景色であるが。「まあにん」は「まあんかいん」とも言う。
今あ、大概ぬ田舎んかいん行じん=今は、大概の田舎に行っても。
なあ見いらんなとおん=もう、見られない。「なあ、見だらんなとおん」でもよい。
殊てぃ=特に。
今ぬ建売や=今の建売住宅は。
いいばいくぁあさいし=狭苦しく。「いいばさん」は「狭い」。「くぁあさい」は「喰ぁあさい」と書かかれる場合もあるが、殆ど意味の無い言葉。沖縄語と独特の語調を整える語。例「ゆんたくひんたく」の「ゆんたく」は「おしゃべり」だが「ひんたく」には意味はない。こういう類は慣用句として覚えてしまいましょう。
建てぃらっとおしが=建てられているのだが。
昔ぬ屋敷え=昔の屋敷は。
実に、広さぬ=本当に広くて。
ゆちみぬまんどおたん=ゆとりがかなりあった。「まんどおん」は「たくさんある」の意味。
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