糸満ハーレー(糸満市)

image206.jpg

 あぎぬ畑(はる)さあ達(たあ)んかいや、馬走(んまは)らしぬあぬ如(ぐとぅ)、海人(うみんちゅう)んかいや、ハーリー勝負(すうぶ)ぬあん。
 那覇(なあふぁ)ハーリーやゴールデンウィークなかいすくとぅ、観光客(くぁんこうちゃく)ん、見(ん)じいが来(ち)いまんでぃ、音(うとぅ)うっちょおしが、肝(ちむ)ぬ思(うみ)いがやら、糸満(いちまん)ぬハーレーぬ如(ぐとぅ)、実(じゅん)にぬ海人ぬハーレーがるちびらしく見(み)ゆる。
 小学校時分(しょうぐぁっこうじぶん)や、学校ぬあたる屋慶名(やきな)ぬハーリー、いいくる見(ん)じいが行(ん)じゃるむやん。
 うんにいや見物人(ちんぶちに)ぬん、諸浜(むるはま)んじる、やぐいんすたるむぬやしが、今(なま)あ埠頭(とぅんどお)んじる見物(ちいぶち)そおる。

 2011年6月15日投稿分

【語句】
あぎぬ畑さあ達んかいや=陸の農民には、
馬走らしぬあぬ如=競馬があるように。「馬走らし」は『沖縄語辞典』にはないが、筆者の地域では主にはこれを使っていたので、敢えて使用した。一般的には、「馬勝負(んますうぶ)」、「馬ずりい」ともいう。ちなみに、「馬浴し(ンマミシ)」(「馬洗い場」の意味)も同辞典には掲載されてない。
海人んかいや=漁師には、
ハーリー勝負ぬあん=ハーレー競争がある。
那覇ハーリーや=那覇ハーリーは、
ゴールデンウィークなかいすくとぅ=ゴールデンウィークに行なわれるから
観光客ん、見じいが来いまんでぃ=観光客も大勢来て、
音うっちょおしが=有名であるが、
肝ぬ思いがやら=気のせいか、
糸満ぬハーレーぬ如=糸満のハーレーのように、
実にぬ海人ぬハーレーがる=本当の漁師らのハーレーこそが。「~がる」の「る」は強調を表わす助詞「どぅ」の清音。
ちびらしく見ゆる=素晴らしく見えるのである。前の強調助詞「る」を受けて、「見ゆん」は連体形「みゆる」で結ぶ。
小学校時分や=小学校時分は、
学校ぬあたる屋慶名ぬハーリー=学校の所在した屋慶名のハーリーを
いいくる見じいが行じゃるむやん=よく、見に行ったものだ。
うんにいや=あのころは、
見物人ぬん=見物人も
諸浜んじる=みんな浜で。「~んじる」の「る」については既述(上参照)。
やぐいんすたるむぬやしが=声援を送っていたものだが
今あ埠頭んじる見物そおる=今は埠頭で見物していのである。「んじる」は既述。

この記事へのコメント