月(ちっちゅう)(糸満市)

月(小).jpg
 写真(しゃしん)やくぬ前(めえ)ぬうちなあ暦(ぐゆみ)ぬ3月(ぐゎち)16日(にち)ぬスーパームーン。
 うちなあ歌(うた)うてぃ歌あらっとおしえ、花(はな)とぅ月(ちち)とお、何(ぬう)や多(うふ)さらあ。
「花」や「女(ゐなぐ)」、「年頃(とぅしぐる)」表(あら)わす事(くとぅ)んあしが、「月」え、いいくる「恋(くい)」、「浮世(うちゆ)」んでえとぅ関(かが)なゆん。
 月え毛遊(もうあし)びんでえ、揃(すり)てぃ遊(あし)ぶる若者達(わかむんちゃあ)にとぅてえ、ぬしかてぃ欲(ふ)しゃるむぬんやん。
 「あんだぎなあぬ月いぬ夜、我がけえら遊びようら」(月ぬかいしゃ節)。
 やしが、恋忍(くいしぬ)ぶばあや、ぬしかてえ済(し)まんむぬんやん。
 「忍(しぬ)ぶ夜(ゆ)や月(ちち)ん心(くくる)あてたぼり」(新殿様節)。
 又(また)、月んかい恐(うとぅ)るしい事(くとぅ)言(ゆ)る歌んあん。
 「月に願(ぐゎん)たてぃてぃ(略)、思(うむ)いすとぅ我(ば)んとぅ行逢(いちゃ)しゆ給(た)ぼり。
 思いすとぅ我んとぅ行逢さんどぅんあらば、あたら我が命取(ぬち)らば如何(ちゃ)すが」(月ぬまぴろま節)…。

【語句】
写真やくぬ前ぬうちなあ暦ぬ3月16日ぬスーパームーン=写真はこの前の旧3月16日のスーパームーン。
うちなあ歌うてぃ歌あらっとおしえ、花とぅ月とお=沖縄の歌で歌われているのは「花」と「月」とで
何や多さらあ=いずれが多いだろうか。
「花」や「女」、「年頃」表わす事んあしが=「花」は「女」や「年頃」を表すこともあるが、
「月」え、いいくる「恋」、「浮世」んでえとぅ関なゆん=「月」は概ね「恋」、「浮世」等と関係する。
月え毛遊びんでえ、揃てぃ遊ぶる若者達にとぅてえ=月は原遊び等、集団で遊ぶ若者らにとっては、
ぬしかてぃ欲しゃるむぬんやん=出てほしいものである。
「あんだぎなあぬ月いぬ夜」=「あれだけの月夜だし」
「我がけえら遊びようら」(月ぬかいしゃ節)=「我ら遊ぼうではないか」(月ぬかいしゃ節)
やしが、恋忍ぶばあや、ぬしかてえ済まんむぬんやん=だが忍び恋の場合は出ては困るものでもある。
「忍ぶ夜や月ん心あてたぼり」(新殿様節)=「(恋)忍ぶ夜はお月さんも気遣ってくれ」(新殿様節)
又、月んかい恐るしい事言る歌んあん=また、月に対して恐ろしい事を言ってのける歌もある。
「月に願たてぃてぃ(略)、思いすとぅ我んとぅ」=「月に願いを立てて(略)、思う人と私と」
「行逢しゆ給ぼり」=「逢わせてください」。
「思いすとぅ我んとぅ行逢さんどぅんあらば」=「思う人と私を逢わさず」
「あたら我が命取らば如何すが」(月ぬまぴろま節)=「私が自ら大事な命を絶てば、どうするかつもりか」(月ぬまぴろま節)…。



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