保栄茂ぬ馬場(豊見城市)

保栄茂の馬場小.jpg

 保栄茂(びん)ぬ馬場(んまいい)ぬ元(むとぅ)在(あ)たる所(とぅくる)お、今(なま)あ右(にじり)むてぃんかいある道(みち)んかいなとおんでぃぬ事(くとぅ)。
 昔(んかし)え馬走(んまは)らし(馬勝負)する所(とぅくる)やたしが、今あ十五夜祭(じゅうぐやあ)んでえ村事(むらぐとぅ)する所なとおん。
 馬場や沖縄(うちうなあ)んかいや大概(てえげえ)ぬ村々(むらむら)んかい有(あ)たしが、くまぬ馬場ねえし、広々(ふぃるびる)とぅ残(ぬく)とおせえ珍(みじ)しむんやい、又(また)羨(うれえ)まさんあん。
 他(ゆす)ぬ村(むら)んじえ、「遊(あし)び庭(なあ)」んでぃる言(ゆ)る筈(はじ)やしが、いいくる狭(い)いばさぬふしがらん。
 見物(ちんぶち)するうてぃな迄(までぃ)造(つく)らっとおくとぅ、今風(なまふう)やあらに。
 保栄茂や漢字三(みい)ち字(じい)やるむぬ、何(ぬう)んでぃち「びん」でぃ言(ゆ)がんでぃ、他所(ゆす)ん人(ちゅ)お、ふぃるまさすん。
 やしが、「おもろ」於(をぅ)てえ「ほへむ」又「ほゑむ」やん。
 またやしが「ほ」が「ぼbo」、「へ」が「いi」、「む」が「n」ぬんかい変(か)わたる為(たみ)なかい、通(とぅう)ち叫(あ)びいねえ、「bo」とぅ「i」ぬたっくゎやあに、「びん」ぬんかい変わたるしいじ。

【語句】
保栄茂ぬ馬場ぬ元在たる所お、今あ右むてぃんかい=保栄茂の馬場のあった場所は、今は右側(南側)に
ある道んかいなとおんでぃぬ事=ある道路になっているとのこと。
昔え馬走らし(馬勝負)する所やたしが=昔は競馬場であったのだが、
今あ十五夜祭んでえ村事する所なとおん=今は十五夜祭(豊年祭)などの村の行事をする場所になっている。
馬場や沖縄んかいや大概ぬ村々んかい有たしが=馬場は沖縄では凡その村々にあったが、
くまぬ馬場ねえし、広々とぅ残とおせえ珍しむんやい、又羨まさんあん=この馬場のように広々と残っているのは珍しくもあり羨ましくもある。
他ぬ村んじえ、「遊び庭」んでぃる言る筈やしが=他の村では「あしびなあ」というのかもしれないが、
いいくる狭いばさぬふしがらん=だいたいにおいて狭くるしい。
見物するうてぃな迄、造らっとおくとぅ、今風やあらに=見物スタンドまで造られているので現代風ではないか。
保栄茂や漢字三ち字やるむぬ、何んでぃち「びん」でぃ言がんでぃ=保栄茂は漢字三つ字なのに何故、「びん」と言うのかと
他所ん人お、ふぃるまさすん=よそ者は珍しがる。
やしが、「おもろ」於てえ「ほへむ」又「ほゑむ」やん=だが、「おもろ御さうし」には「ほへむ」また「ほゑむ」とある。
またやしが「ほ」が「ぼbo」、「へ」が「いi」、「む」が「n」ぬんかい=だけど「ほ」が「ぼbo」に「へ」が「いi」、「む」が「n」に
変わたる為なかい、通ち叫びいねえ=変化したために、連続して発音すると
「bo」とぅ「i」ぬたっくゎやあに、「びん」ぬんかい変わたるしいじ=「bo」と「i」がくっ付き、「びん」に変化した次第。

注:地方によっては「馬走らし」が「馬場」の代名詞になる。また接尾語的には「門(じょう)」を使う。ごく一部では「かにく」がその意味である場合もある。

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