トックリキワタ(豊見城市)

トックリキワタ小.jpg
 トックリキワタや南米(なんびい)ザクラんでぃ言(い)らとおるあたい、秋(あち)から冬(ふゆ)ぬ初(はじ)み頃(ぐる)、葉(ふぁあ)落(う)とぅち、枝(ゆだ)いっぺえ、桜色(さくらいる)ぬ花(はな)咲(さ)かすん。
 やぐとぅ、うんにいがどぅ見物(みいむん)やる。
 やしが、又(また)、4月(しんぐゎち)から今頃(なまぐる)ないねえ、大卵(まぎくうが)ぬ形(かたち)そおる実(ない)ぬ、はっ切(ち)りやあに、、「綿(わた)」出(ん)じゃすん。
 今度(くんど)お、うぬ白綿(しるわた)や能(ゆ)う出来(でぃき)とおんねえ思(うま)ありいん。
 昔種(んかしさに)え沖縄物(うちなあむ)のおあらんくとぅ、沖縄名(うちなあなあ)や無(ね)えらんしが、昔(んかし)から沖縄んかいあたる如(ぐとぅ)さあに、今(なま)あ、あまくまんかい植(うゐ)いらってぃ、ゆかとおん。
 葉や諸(むる)、落とぅち、白綿びけえ付(ち)きゆるばあんあん。
 うぬばすお、くりん又、見物やん。
 トックリキワタん忙(いちゅな)しむんやんてえ。
 桜色なたい、雪色(ゆちいる)なたい。

【語句】
トックリキワタや南米ザクラんでぃ言らっとおるあたい=トックリキワタは南米ザクラと言われるだけあって、
秋から冬ぬ初み頃、葉落とぅち、枝いっぺえ=秋から初冬にかけて葉を落とし、枝いっぱいに
桜色ぬ花咲かすん=ピンク色の花を咲かす。
やぐとぅ、うんにいがどぅ見物やる=であるから、そのときこそが見ごろである。
やしが、又、4月から今頃ないねえ、大卵ぬ形そおる実ぬ=だがまた、4月から今頃にかけて、大きな卵型の実が
はっ切りやあに、、「綿」出じゃすん=はち切れて、「綿」を出す。
今度お、うぬ白綿や能う出来とおんねえ思ありいん=今年はその白綿はよくできていると思われる。
昔種え沖縄物のおあらんくとぅ、沖縄名や無えらんしが=原種は沖縄産ではないので、沖縄名はないが、
昔から沖縄んかいあたる如さあに、今あ=昔から沖縄にあったかのように、現在は
あまくまんかい植いらってぃ、ゆかとおん=いたるところに植えられ、繁栄している。
葉や諸、落とぅち、白綿びけえ付きゆるばあんあん=葉を殆ど落とし、白綿だけを付けている場合もある。
うぬばすお、くりん又、見物やん=その場合はこれまた、見応えがある。
トックリキワタん忙しむんやんてえ=トックリキワタも忙しいようだ。
桜色なたい、雪色なたい=ピンク色になったり、雪のように白くなったりして。

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