乙羽岳から山原(今帰仁村)

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 乙羽岳(うとぅわ)からぬ眺(なが)みどぅやしが、まがいぬあがたあ、大宜味(うじみ)とぅ国頭(くんじゃん)なとおん。
 町方慣(まちがたな)りいそおる中南部ぬ人(ちゅ)ん達(ちゃあ)からしいねえ、写真(しゃしん)ぬ如(ぐと)おる景色(ちいち、ちしち)え、同(い、ゆ)ぬ沖縄(うちなあ)んでえ思(うま)あらんあたい、目張(みいは)い如(ぐとぅ)やん。  
 山原(やんばる)んかいや、いちゃっさきいぬ山々(やまやま)、岳々(だきだき)ぬまんどおしが、いいくる山道(やまみち)え狭(いい、い)ばさぬ車(くるま)しせえ、行(い)ちがたなさぬむんやん。
 乙羽岳ん同ぬむんやしが、ちゃあがな車(くるま)し行(い)かりいるうっぴしん、ましやん。
 まんぐらんかい何(ぬう)がなぬ施設(やあ)んでえぬ無(ね)えらんでえ、道え通(とぅう)らんくとぅ、厄介(やっけえ)やしが、うりん仕方(しかた)あ無えらん。
 また、どぅくだら、道造(みちつく)い強(ぢゅう)さぬ、道ぶったあないねえ、自然(しじん)ぬ壊(くう)っさってぃ行(い)ちゅくとぅ、うりん又(また)厄介やん。
 何(じる)お、ましやがんでぃ言(い)いねえ、自然守(まむ)ゆる事(くと)おあらに。
筆:比嘉清。

【語句】
乙羽岳からぬ眺みどぅやしが、まがいぬあがたあ=乙羽岳からの遠望であるが、湾の向こうは、
大宜味とぅ国頭なとおん=大宜味村と国頭村である。
町方慣りいそおる中南部ぬ人ん達からしいねえ=都会慣れしている中南部の人達からすれば、
写真ぬ如おる景色え、同ぬ沖縄んでえ=写真のような風景は同じ沖縄とは
思あらんあたい目張い如やん=思えないほど、印象深い。  
山原んかいやいちゃっさきいぬ山々、岳々ぬまんどおしが=北部にはとても多くの山岳があるが、
いいくる山道え狭ばさい、車しせえ=多くは山道は狭いし、車では
行ちがたなさぬむんやん=行きにくいものである。
乙羽岳ん同ぬむんやしが、ちゃあがな車し=乙羽岳も同様であるが、どうにか車で
行かりいるうっぴしん、ましやん=行けるだけでも良い方である。
まんぐらんかい何がなぬ施設んでえぬ無えらんでえ=付近に何らかの施設がなければ、
道え通らんくとぅ、厄介やしが=道路は作られないので、厄介だが、
うりん仕方あ無えらん=それも仕方がない。
また、どぅくだら、道造い強さぬ=だがまた、必要以上に道路を造りすぎて
道ぶったあないねえ、自然ぬ壊っさってぃ=道路だらけにすれば、自然破壊に
行ちゅくとぅ、うりん又厄介やん=繋がるのでこれもまた厄介である。
何お、ましやがんでぃ言いねえ=(では)どれを選択するかといえば、
自然守ゆる事おあらに=自然を守ることなのではないだろうか。
筆:比嘉清。

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