がじゅまるぬ枝根

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 がじゅまるぬ枝根(ゆだにい)くるお、何(ぬう)んみじらあさるむのおあらんしが、くまぬ枝根や、なあだ生い初(はじ)みやくとぅどぅみじらさる。
 赤髪(あかからじ)ねえそおくとぅ、昔(んかし)ん人(ちゅ)お、キジムナーぬアカガンター(赤髪)んでぃち、言ちょおたる風儀(ふうじ)。うんな話(はなしい)ぬ代々(でえで)、伝(ちて)えらりねえ、姿(しがあ)あ見(み)いらんてぃん、キジムナーぬ実(じゅん)に居(はじ)る筈(はじ)んでぃぬ肝(ちむ)んかいけえないがさら。
 うぬ事(くと)お措(う)ち、がじゅまるぬ枝根ん達(ちゃあ)や、今(なま)から程上(ふどぅうゐい)てぃ、地(じい)んかい入(ふぇえ)りんち行(い)ちゅら筈(はじ)。
 あんしから、なあふぃんまぎくなてぃ行(い)ちねえ、茎骨(じいぶに)ねえしけえなやい、何(ぬう)がが元(むとぅ)ぬ幹(ふに)やたら分(わ)からんないるあたいなゆん。
 元ぬ幹ぬ枯(か)りてぃん、枝根ぬあれえ、ちゃあ生(い)ちちいする事ぬなゆるしいじやん。
 やぐとぅ、がじゅるや歩(あ)っちゅる木(きい)んでぃん言(い)らっとおん。

筆:比嘉清

 がじゅまるぬ枝根くるお何んみじらさるむのお=がじゅまるの枝根自体は何も珍しいものでは、
あらんしが、くまぬ枝根や、なあだ=ないが、ここの枝根はまだ
生い初みやくとぅどぅみじらさる=生え初めなので珍しいのである。
赤髪ねえそおくとぅ、昔ん人お、キジムナーぬ=赤毛のようなので、昔の人たちはキジムナーの
アカガンターんでぃち、言ちょおたる風儀=アカガンター(赤毛)と言っていたようである
うんな話ぬ代々伝えらりねえ姿あ見いらんてぃん=それが代々伝承されれば、姿は見えなくても、
キジムナーぬ実に居る筈んでぃぬ肝んかい=キジムナーが本当に居るかもしれないとの気持ちに
けえないがさら=なってしまったのだろうか。
うぬ事お措ち、がじゅまるぬ枝根ん達や=それはさておき、がじゅまるの枝根たちは
今から程上てぃ地んかい入りんち行ちゅら筈=これから成長し地面に潜り込んでいくのであろう。
あんしから、なあふぃんまぎくなてぃ行ちねえ=そして、さらに大きくなっていけば、
茎骨ねえしけえなやい、何がが元ぬ幹やたら=幹のようになってしまい、どれが元の幹だったのか
分からんないるあたいなゆん=わからなくなるほどになる。
元ぬ幹ぬ枯りてぃん、枝根ぬちょうんあれえ=元の幹が枯れても、枝根さえあれば、
ちゃあ生ちちいする事ぬなゆるしいじやん=ずっと生き続けることになる次第である。
やぐとぅ、がじゅまるや=であるから、がじゅまるは
歩っちゅる木んでぃん言らっとおん=歩く(移動する)木だとも言われている。

註:キジムナー=木の精。木憑物(きじむん)の卑語。
筆:比嘉清

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