三ち重にぬ雲(糸満市)

三重雲2small.jpg

 超(く)た月(ちち)ぬ末(しい)ぬ景色(ちいち)やん。
 買(こう)い物(むん)しからぬ戻(むどぅ)やあ、天(てぃん)ぬ様子(ようし)ぬ異風(いふう)なあやたん。
 ふぃるましい形(かたち)ぬ雲(くむ)やるむんでぃ思(うむ)やあい、うぬ足(ふぃしゃ)し、小路小(すうじぐゎあ)んかい車(くるま)淀(ゆどぅ)みやあに、写真(しゃしん)抜(ぬ)じゃるむぬやん。
 かあま上辺(うゎあび)んかいや秋(あち)まんぐるぬ田打(たあう)ちい雲(ぐむ)、中(なあか)んかいや夏雲(なちぐむ)(積乱雲)、あんし一番下(いちばんしちゃ)んかいや、白筋(しるしじ)ぬ雲。
 三(みい)ちぬ性質(しょうしち)ぬ変(か)わとおる雲ぬ一所(ちゅとぅるく)んじ、縦並(たてぃなら)びそおんしん、ふぃるましいむぬおあらに。
 積乱雲(なちぐむ)ぬ下(しちゃ)むてぃいや、写真からあ青(おお)るうなてぃ見(み)ゆしが、実(じゅん)ねえ、大黒(ううぐる)うどぃそおたる。
 また、良(ゆ)う見(ん)じいねえ、積乱雲や鳳凰ぬ羽(あに)広(ふぃる)ぎてぃ、飛(とぅ)どおんねえんそおん。
 うぬ後(あとぅ)、用事(ゆうじ)ぬあてぃ、中頭(なかぐみ)んかい車(くるま)歩(あ)っかち行(ん)じゃしが、うぬ日(ふぃい、ひい)やふぃちい、大雨(ううあみ)やたん。

筆:比嘉清

超た月ぬ末ぬ景色やん=先月末の景色である。
買い物しからぬ戻やあ、天ぬ様子ぬ異風なあやたん=空模様が異様であった。
ふぃるましい形ぬ雲やるむんでぃ思やあい、うぬ足し=奇妙な形の雲だと思い、その足で、
小路小んかい車淀みやあに、写真抜じゃるむぬやん=路地に車を停め、写真を撮った次第である。
かあま上辺んかいや秋まんぐるぬ田打ちい雲=はるか上空には秋頃に多い?羊雲(ウロコ雲)、
中んかいや夏雲(積乱雲)=中ほどには夏の積乱雲、
あんし一番下んかいや、白筋ぬ雲=そして一番下には横に棚引く細い雲。
三ちぬ性質ぬ変わとおる雲ぬ一所んじ=三種類の雲が一か所で
縦並びそおんしん、ふぃるましいむぬおあらに=縦に重なっているのも珍しくはないだろうか。
積乱雲ぬ下むてぃいや写真からあ青るうなてぃ見ゆしが=積乱雲の下は写真からは青に見えるが
実ねえ、大黒うどぃそおたる=実際は、黒々としていた。
また、良う見じいねえ、積乱雲や鳳凰ぬ羽広ぎてぃ=またよく見れば、積乱雲は鳳凰が翼を広げ、
飛どおんねえんそおん=飛んでいる様にも見える。
うぬ後、用事ぬあてぃ、中頭んかい車歩っかち=その後、用事があって、中頭へ車で、
行じゃしが、うぬ日やふぃちい、大雨やたん=移動したが、その日は、一日中、大雨だった。

筆:比嘉清

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