ぴしきえまあにんあしが山原(やんばる)ぬむんぬ広(ふぃるが)い様(よう)や目張(みいは)い事(ぐとぅ)やん。
根(にい)ぐいぬある所(とぅくる)お泥(どぅる)ぬ中(みい)やぐとぅ、平生(ふぃいじい)ぬ装(すが)いしえ中(なあか)んかい入(い)い難(ぐり)さん。
一足(ちゅふぃしゃ)やてぃん入踏(く)み(い)いねえ、靴(ふや)が泥ぶったあなゆん。
やしが、蟹(がい)そうな生(い)ち物(むし)にとぅてえ、暮(く)らし易(や)っさる棲(し)めえ処(じゅ)やら筈(はじ)。
暮らし邪魔(じゃま)する人(ちゅ)ん四(ゆ)ち足(あし)ん此処迄(くままで)え来(く)うん。
人お、てえとぅみいとぅカヌーんでぃぬ舟小(ふにぐゎあ)乗(ぬ)やい、まんぐらなありい、走(は)やあ走(は)やあするうっぴどぅやる。
うん如(ぐとぅ)うし、いが地球(ちちゅう)ぬ上辺(うゎあび)んじえ人間(にんじん)とぅ他(ふか)ぬ生ち物え、互(たげ)えに相手(ええてぃ)ぬ棲めえ処んかい立(た)ち入(い)らんねえし好(い)い按配(あんべえ)に成(な)とおん。
人ん生ち物ん、互(たげ)えに敬(うやま)い畏(うす)りてぃどぅ世(ゆう)やちゃんとぅ渡(わた)てぃ行(い)かりいるむぬやる。
人間同士(どうさあ)ん、うんな事(くとぅ)、なあふぃん、分(わ)からんでえならのおあらに。
筆:比嘉清。
ぴしきえまあにんあしが、かわてぃ=ヒルギはどこにでもあるが、とりわけ、
山原ぬむんぬ広い様や目張い事やん=北部のそれの規模には驚くばかりだ。
根ぐいぬある所お泥ぬ中やぐとぅ、平生ぬ装いしえ=根っこのある所は泥の中なので、普段着では
中んかい入い難さん=足を踏み入れ難い。
一足やてぃん入踏み入いねえ、靴が泥ぶったあなゆん=一足でも踏み込むと靴が泥だらけになる。
やしが、蟹そうな生ち物にとぅてえ=だけど、蟹のような生き物にとっては、
暮らし易っさる棲めえ処やら筈=住みやすいところかもしれない。
暮らし邪魔する人ん四ち足ん此処迄え来うん=生活を邪魔する人間も獣もここまでは来ない。
人おてえとぅみいとぅカヌーんでぃぬ舟小乗やい=人間はせいぜい、カヌーなる小舟に乗って、
まんぐらぬ水ぬ上辺なありい走やあ走やあするうっぴどぅやる=その辺の水辺を走り回るだけだ。
うん如うし、地球ぬ上辺んじえ人間とぅ他ぬ生ち物え=このように地球上では人間と他の生物が
互えに相手ぬ棲めえ処んかい立ち入らんねえし=互いに相手の領域に立ち入らないように
好い按配に成とおん=都合よくできている。
人ん生ち物ん、互えに敬い畏りてぃどぅ世や=人間も他の生物も互いに尊重し合ってこそ世は
ちゃんとぅ渡てぃ行かりいるむぬやる=整然と渡っていけるものなのだろう。
人間同士ん、うんな事、なあふぃん=人間同士でも、そう言う事をもっと、
分からんでえならのおあらに=知るべきなのではないだろうか。
筆:比嘉清。
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