同(い)ぬ綿(わた)ぬ木(きい)やてぃん、先週(しんしゅう)ぬ糸満(いとぅまん)ぬむぬとお、見場(みいば)あ別(びち)やんねえそおん。
下(しちゃ)んかい落(う)てぃとおる綿取(わたとぅ)てぃ見(ん)んじいねえ、中(なあか)んかいや、西瓜(くゎんとぅんうい、しいくゎあうい)ぬ種(さに)とぅ似(に)ちょおる黒種(くるさに)ぬ二(たあ)ちびけん見(ん)だりいん。
綿(わた)あ軽(が)っさくとぅ、風(かじ)なかい飛(とぅ)ばさってぃ、あまくまんかんじ、子孫(くんまが)繁盛(はんじょう)しみゆる仕組(しくみ)みやいがすら。
やしが、今(なま)ぬ世(ゆう)や地(じい)や、いいくる人間(にんじん)ぬどぅ構(かむ)とおくとぅ、木草(くうくさ)にとぅてえ思(うみ)いが如(ぐとぅ)、繁盛する事(くと)おならん。
一粒(ちゅちぶ)ニ粒(たちぶ)やてぃん、まあがなんじ、芽(みどぅい)ぬ出(ん)じてぃ、程上(ふどぅゐい)てぃ行(い)」ちゅる如(ぐとぅ)、願(にが)らな。
今(なま)あ人人間(ちゅにんじん)ぬ勝手(かってぃ)そおる世(ゆう)や、やしが、かあま先(さち)ぬ世や、又(また)、木草ぬはねえちゅる世(ゆう)んかいないがすら。
うにい迄(まで)え、並木(なんぎい)とぅか公園(くういん)うてぃ、気張(ちば)てぃ呉(くぃ)みそおり。
筆:比嘉清
同ぬ綿ぬ木やてぃん、先週ぬ糸満ぬむぬとお=同じトックリキワタでも、先週の糸満のそれとは、
見場あ別やんねえそおん=見た目は別のもののようである。
下んかい落てぃとおる綿取てぃ見んじいねえ、中んかいや=下に落ちた綿を取ってみると中には、
西瓜ぬ種とぅ似ちょおる黒種ぬ二ちびけん見だりいん=西瓜の種に似た黒い種が二粒確認できる。
綿あ軽っさくとぅ、風なかい飛ばさってぃ=綿は軽いので、風に飛ばされて、
あまくまんじ、子孫繁盛しみゆる仕組みやいがすら=あちこちで子孫を残す仕組みなのだろうか。
やしが、今ぬ世や地や、いいくる人間ぬどぅ=だが、現代において土地は人間こそが
構とおくとぅ、木草にとぅてえ思いが如=管理しているのだから、植物のとっては、思い通り、
繁盛する事おならん=子孫を繫栄させる事はできない。
一粒ニ粒やてぃん、まあがなんじ、芽ぬ出じてぃ=一粒でも二粒でもどこかで、芽を出して、
程上てぃ行」ちゅる如、願らな=成長していくよう、願おう。
今あ人人間ぬ勝手そおる世や、やしが=現代は人類が勝手する時代なのではあるが、
かあま先ぬ世や、又、木草ぬはねえちゅる=ずっと先の時代は、或いは植物の勝手で繫栄する
世んかいないがすら=時代になるのかもしれない。
うにい迄え並木とぅか公園うてぃ気張てぃ呉みそおり=それ迄は並木や公園で頑張って呉れ給え。
筆:比嘉清
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