石垣(糸満市)

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 うちなあんかいや今(なま)ちきてぃ、昔(んかし)からぬ石垣囲(いしがちがく)いぬ残(ぬく)とおる所(とぅくる)ぬあん。
 特(か)わてぃ離島(はなり)んかいまんどおんでぃぬ思(うみ)いぬあたしが、思(うみ)いぬ他(ふか)、本島(うふじ、じち)んかいん、昔からぬ大(うふ)シマやれえ、まあんちん無(ね)えらん、まんどおん。
 くまぬ石垣(いしがち)や首里城(うぐしく)ねえし、造(つく)らっとおしが文化財(ぶんくゎぜえ)とぅしち、定(さだ)みっらとおる訳(わき)えあらん。
 見(ん)ちん、どぅく頑丈(がんじゅう)ぎさぬ周(まあ)いぬブロック囲(がく)いや、実(じゅん)に粗末(そうべえ)ぎさし見(み)ゆん。
 うんなブロック囲いや地震(ねえ)ぬ揺(ゆ)いねえく壊(くう)り易(や)っさんでぃち、新(みい)くにブロック囲いするばあや、頭(かしら)ぬ許可(ゆりい)ぬ必要(いりゆう)やんでぃち、建築法(きんちくほう)ん変(け)えらっとおる事(くとぅ)んあてぃ、近頃(ちかぐる)お、ブロックぬ代(か)わい、金網(かなあみ)囲いする所(とぅくる)ぬ増(うゎあ)あちょおん。
 やしが、くんな昔石垣ぬばあや、如何(ちゃ)ぬ風儀(ふうじい)ぬ扱(あちけ)えがやら。
 色(いる)んな事(くとぅ)し景色(ちしち)ぬ変(か)わゆるむぬやさ。

筆:比嘉清

うちなあんかいや今ちきてぃ、昔からぬ石垣囲いぬ=沖縄には今でも、昔からの石垣囲いが
残とおる所ぬあん=残っている場所ががある。
特わてぃ離島んかいまんどおんでぃぬ思いぬあたしが=特に離島に多いという思いがあったが、
思いぬ他、本島んかいん、昔からぬ大シマやれえ=以外にも本島にも旧くからの集落なら
まあんちん無えらん、まんどおん=(特に)どこということもなく、多い。
くまぬ石垣や首里城ねえし、造らっとおしが=この石垣は首里城のそれのように造られているが、
文化財として定みっらとおる訳えあらん=文化財として指定されてない。
見ちん、どぅく頑丈ぎさぬ周いぬブロック囲いや=見るからに頑丈そうで周囲のブロック囲いが
実に粗末ぎさし見ゆん=いかにも貧弱そうに見える。
うんなブロック囲いや地震ぬ揺いねえ壊り易っさんでぃち=ブロック囲いは地震で壊れ易いからと
新くにブロック囲いするばあや、頭ぬ許可ぬ=新規にブロック囲いをする場合は当局の許可が
必要やんでぃち、建築法ん変えらっとおる事んあてぃ=必要であると建築法が変わった事もあり、
近頃お、ブロックぬ代わい、金網囲いする=最近はブロックの代わりに金属製のフェンスにする
所ぬ増あちょおん=ところが増えている。
やしが、くんな昔石垣ぬばあや=だが、こうした古い石垣の場合は
如何ぬ風儀ぬ扱えがやら=どういう取扱なのだろうか。
色んな事し景色ぬ変わゆるむぬやさ=色んな要因で風景も変わるものものだ。

筆:比嘉清

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