やしが、二(たあ)ちぬ島(しま)ぬ使(ちけ)え道(みち)え、今(なま)ん昔(んかし)ん違(ちが)とおん。
「奥武島(おう)」んでぃゆる名(なあ)ぬ島(しま)あ沖縄(うちなあ)んかいや幾(いく)ちんあん。
今あ、あねえあらんしが、かあま昔え、亡(ま)あちょおるっ人(ちゅ)置(う)ちゅる如(ぐとぅ)、使あらっとたんでぃぬ事(くとぅ)。
やしが、くぬ藪地島あ人(ちゅ)ぬ住(し)めえ島(じま)やたん。
ガマからあ昔ぬ道具物(どうぐむん)ぬ見(み)い当(あ)てぃらったい、掘(ふ)い出(ん)じゃさったいすん。
今あ奥武島とぅ違てぃ、いいくる人お住でえ居(をぅ)らんあい、ゐいりき所(どぅくる)とぅしちん、使あってえ居らん。
屋慶名(やきな)んでえ地(じい)ん人にとぅてえ、拝所(うがんどぅくる)なとおくとぅやん。
沖縄んじえ聖地(うがみどぅくる)とぅなとおる所お、いいくる昔ぬままぬ姿形(しがたかたち)なかい残(ぬく)とおん。
今から後(あとぅ)ん変(か)わらん事(くとぅ)ゆ念(にん)じらな。
筆:比嘉清
藪地島あ、うふじんかいたっくゎゆんねえしあしが=藪地島は本島にくっ付くように存在するが、
南城市ぬ奥武島やかやいふぃ小や離りとおん=南城市の奥武島よりは少し本島から離れている。
やしが、二ちぬ島ぬ使え道え、今ん昔ん違とおん=だが、ニつの島の使い方は今も昔も変わる。
「奥武」んでぃゆる名ぬ島あ沖縄んかいや幾ちんあん=「奥武」という島名は県内に幾つもある。
今あ、あねえあらんしが、かあま昔え、亡あちょおるっ人=今はそうではないがずっと昔は死人を
置ちゅる如、使あらっとたんでぃぬ事=安置する場所として使用していたとの事である。
やしが、くぬ藪地島あ人ぬ住めえ島やたん=しかし、この藪地島は人が住んでいた島であった。
ガマからあ昔ぬ道具物ぬ見い当てぃらったい=洞窟からは古い時代の土器が発見されたり、
掘い出じゃさったいすん=掘り出されたりする。
今あ奥武島とぅ違てぃ、いいくる人お住でえ居らんあい=今は奥武島と異なり、無人であり、
ゐいりき所とぅしちん、使あってえ居らん=観光向けにも使用されてない。
屋慶名んでえ地ん人にとぅてえ、拝所なとおくとぅやん=屋慶名等地元にとっては拝所だからだ。
沖縄んじえ聖地とぅなとおる所お=沖縄では、聖地となっているところは、
いいくる昔ぬままぬ姿形なかい残とおん=殆ど、昔のままの姿で残されている。
今から後ん変わらん事ゆ念じらな=今後も変わていかないことを祈る。
筆:比嘉清
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