名(なあ)ぬ通(とぅう)い、いいくる浜(はま)んかい生(み)いゆる紫檀(したん)やしが、大概(てえげえ)や阿胆(あだん)とぅ木麻黄(もくまおう)なかい負(ま)きてぃ、まあぬ浜んかいある訳(わけ)えあらん。
あんし写真(しゃしん)ぬ如(ぐとぅ)、形(かたち)ん良(ゆ)たさい、美(ちゅ)らさる浜紫檀ぬん、又珍(みじ)らさいむんやん。
骨(ふに)え葉(ふぁあ)なかい丸包(まんちち)みさっとおしが、潮風(うしゅかじ)から骨、守(まむ)ゆる為(たみ)がやら。
丈(たき)えまぎくおならんしが、横(ゆく)んかいや広(ふぃる)がてぃ行(い)ちゅる風儀(ふうじ)やん。
やくとぅ、骨え曲(ま)ぐじゅうふぃぐじゅうさあに、盆栽(ぶんせえ)とぃぅしん使(ちか)あらっとおしが、頑丈(がんじゅう)さぬ三線(さんしん)ぬ棹(そお)ぬ材(ぜえ)とぅんなゆん。
那覇(なあふぁ)ぬある所(とぅくる)んじえ、車道(くるまみち)ぬ並木(なんぎい)とぅしち植(うゐい)いらっとおしが、無理(むり)に立(た)たさっとおる風儀なてぃ、相応(ふさ)てぃが居(をぅ)ら、居らんがあら。
阿胆や暴風(ううかじ)ぬ備(すない)わい木(ぎい)、又木麻黄や他所国(ゆすぐに)からぬ木。
かあま昔(んかし)ぬ琉球(るうちゅう)ぬ浜ぬ景色(ちいち)え如何(ちゃ)ぬ風儀がやたら。
筆:比嘉清。
名ぬ通い、いいくる浜んかい生いゆる紫檀やしが、大概や=名の通り主に浜辺に生える紫檀だが、
阿胆とぅ木麻黄なかい負きてぃ、まあぬ浜んかいん=阿胆や木麻黄に負けて、どこの浜にも
ある訳えあらん=あるわけではない。
あんし写真ぬ如、形ん良たさい、美らさる浜紫檀ぬん=この写真の様に、形もよく美しい紫檀も
又珍らしいむんやん=珍しいものである。
骨え葉なかい丸包みさっとおしが、潮風から骨=茎は葉に完全に包まれているが、潮風から
守ゆる為がやら=守る為なのだろうか。
丈えまぎくおならんしが、横んかいや=高くはならないが、横には
広がてぃ行ちゅる風儀やん=広がっていくようである。
やくとぅ、骨え曲ぐじゅうふぃぐじゅうさあに盆栽=なので茎は曲がりくねり盆栽
とぅしちん使あらっとおしが、頑丈さぬ=としても使われているが、丈夫なので、
三線ぬ棹ぬ材とぅんなゆん=三線の棹の材料ともなる。
那覇ぬある所んじえ、車道ぬ並木とぅしち=那覇の一部で車道の並木として
植いらっとおしが無理に立たさっとおる風儀なてぃ=植えられているが無理に立たされている風で
相応てぃが居ら、居らんがあら=(並木として)相応しいのかどうか。
阿胆や暴風ぬ備わい木=阿胆は防風林としてのもの(*琉球国時代の植林事業の)
又、木麻黄や他所国からぬ木=また木麻黄は外来種である。
かあま昔ぬ琉球ぬ浜ぬ景色え如何ぬ風儀がやたら=はるか昔の琉球の浜はどのような景色だったのだろうか。
筆:比嘉清。
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