淵ばんた(糸満市)

淵ばんた小.jpg

 海(うみ)なかい囲(かく)まあっとおるうちなあぬ海端(うみばた)んかいや、美(ちゅ)ら浜(ばま)びけえんやあらん、また淵(ふち)ばんたあ、いいくるまんどおん。
 辺戸(ふぃどぅ)ぬ「茅淵(かやふち)ばんた」や名(な)ぬ立(た)っちょおん。
 辺戸岬(ふぃどぅみさち)、残波岬(ざんぱ)んかいんはんたあしが、くまぬはんたあ喜屋武岬(ちゃんみさち)ぬ近(ちか)くなとおん。
「岬」んでぃ言(ゆ)る所(とぅくる)お、てえげえや淵ばんた風儀(ふうじい)ぬあいぎさん。
 「はんた」から来(ち)ちょおる言葉(くとぅば)なかい、「はんたさん」んでぃゆるむぬぬあん。
 「うかあさん」んでぃぬ積合(ちみええ)んあん。
 はんた登(ぬぶ)やい、下見(しちゃん)ち、しかまん人(ちゅ)お居(をぅ)らん筈(はじ)。
 はんたぬ下ぬ浜(はま)ん美らむんやん。
 やしが、下んかい降(う)りゆしん、何(ぬう)がやら、恐(うとぅる)しいむんやい、降りてぃ迄(までぃ)、遊(あし)べえやあんでえ思(うま)あん。
 写真抜(しゃしんぬ)じゅるびけんし、肝(ちむ)ふじ、早(ふぇえ)くなあ、去(は)いせえまし…。

筆:比嘉清。


海なかい囲まあっとおるうちなあぬ海端んかいや=海に囲まれた沖縄の海岸には
美ら浜びけえんやあらん、また淵ばんたあ、いいくるまんどおん=美しい浜だけでなく、断崖絶壁もまた多い。
辺戸ぬ「茅淵ばんた」や名ぬ立っちょおん=辺戸の「茅淵バンタ」は有名である。
辺戸岬、残波岬んかいんはんたあしが=辺戸岬、残波岬に崖はあるが、
くまぬはんたあ喜屋武岬ぬ近くなとおん=この崖淵は喜屋武岬のちかくにある。
「岬」んでぃ言る所お、てえげえや淵ばんた風儀ぬあいぎさん=岬なる所には大抵、崖淵があるようだ。
「はんた」から来ちょおる言葉なかい=「はんた(崖)」に由来する語に
「はんたさん」んでぃゆるむぬぬあん=「はんたさん」というのがある。
「うかあさん」んでぃぬ積合んあん=「危ない」という意味が含まれる。
はんた登やい、下見ち、しかまん人お居らん筈=崖淵に登り、眼下を見下ろして竦まない人は居るまい。
はんたぬ下ぬ浜ぬ海ん美らむんやん=(確かに)崖下の浜も美しいものだ。
やしが、下んかい降りゆしん、何がやら、恐しいむんやい=だが、下に降りるのも何だか恐いし、
降りてぃ迄、遊べえやあんでえ思あん=下りていって迄、遊ぶ気にはならない。
写真抜じゅるびけんし、肝ふじ、早くなあ、去いせえまし=写真を撮るだけで満足し、早めに立ち去るのにこしたことはない。

筆:比嘉清。


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