がじまるぬ石垣(いしがち)、丸抱(まんだ)ちょおん。
写真(しゃしん)ぬ右(にじり)むてぃいんかいや、ゆかっちゅぬ屋敷(やしち)ぎさる石垣ん見(み)ゆん。
昔(んかし)から屋敷んかいやかじまるそうな木(きい)や植(ゐ)いるなんでぃち言(い)らっとおしが、くまぬ屋敷ぬ主(ぬうし)ん、ましし、かじまる植いたる訳(わき)えあらん筈(はじ)。
ただ、うっちゃん投(な)ぎらっとおる屋敷んかい、がじまるぬ種(さに)ぬ落(う)てぃやい、なんくる生(み)いてぃちょおるばすどぅやる筈。
まんぐらあ今(なま)ん人(ちゅ)ぬ住(し)どおる家(やあ)屋敷ぬまんどおくとぅ、人ぬ居(をぅ)らんなとおる地(じい)やあらん。
やしが、何(ぬう)がやら、いやでぃん、昔ぬ面影(うみかじ)残(ぬく)ちょおる風儀(ふうじい)なやい趣(うむむち)ぬあい、絵(いい)とぅしちん面白(うむ)さん。
沖縄(うちなあ)んかいや、人ぬ居らんなとおる昔ぬ土地屋敷(じいやしち)ぬ木草(きいくさ)なかいけえ覆(う)すらってぃ、埋(うず)むりてぃ、んじょおる所(とぅくる)ぬまんどおん。
人ぬ居るくまあ埋むりいる心配(しわ)あ無(ね)えん。
筆:比嘉清。
がじまるぬ石垣、丸抱ちょおん=がじまるが石垣を抱きかかえている。
写真ぬ右むてぃいんかいやゆかっちゅぬ屋敷ぎさる=写真の右側には士族の屋敷らしき
石垣ん見ゆん。昔から屋敷んかいやかじまるそうな=石垣も見える。昔から屋敷には榕樹の様な
植いるなんでぃち言らっとおしがくまぬ屋敷ぬ主ん=植えるなと言われているがこの屋敷の主も
ましし、かじまる植いたる訳えあらん筈=好んでがじまるを植えたわけではないだろう。
ただ、うっちゃん投ぎらっとおる屋敷んかい=ただ、管理されなくなった屋敷に
がじまるぬ種ぬ落てぃやい、なんくる=がじまるの種が落ちて、自然に
生いてぃちょおるばすどぅやる筈=生えてきたのであろう。
まんぐらあ今ん人ぬ住おる家屋敷ぬまんどおくとぅ=付近は今も人が住む家屋敷が多いので、
人ぬ居らんなとおる地やあらん=廃村のような土地ではない。
やしが何がやら、いやでぃん昔ぬ面影残ちょおる風儀なやい=だが何だか昔の面影を残し
趣ぬあい、絵とぅしちん面白さん=風情もあり、絵としても面白い。
沖縄んかいや、人ぬ居らんなとおる昔ぬ土地屋敷ぬ=沖縄には人が居なくなった昔の土地建物が
木草なかいけえ覆すらってぃ埋むりてぃんじょおる所んまんどおん=植物に覆われてしまい、埋もれた所も多い。
人ぬ居るくまあ埋むりいる心配あ無えん=人家のあるここは埋もれる心配はない。
筆:比嘉清。
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