うぬ井戸(かあ)や宮城島(たかはなりじま)んかいあん。
1849年(にん)んじ石造(いしづくい)いさっとおんでぃち、石碑(いしふぃ)んかい書(か)かっとおん。
んちゃ、宮城島や山(やま)んあい、いいくる石灰岩(いしべえ)とぅくちゃなかい成(な)とおんでぃぬ事(くとぅ)やくとぅ、湧(わ)ち水(みじ)んまんどおる筈(はじ)。
他所(ゆす)ぬ所(とぅくる)んじえ、昔(んかい)からぬ井戸(かあ)や、いいくる湧ちゅる水ぬいきらくなたい、汚(ゆぐ)りたいし、使(ちか)あらんなとおしぬまんどおしが、くぬヤンガーや、今(なま)ちきてぃ、正月(しょうぐゎち)ぬ若水(わかみじ)とぅか産水(んぶみじ)とぅしち、使あらっとおんでぃぬ事やん。
今あ、まあんかい、いっそうから水道(ふぃいじゃあ)ぬ引(ふぃ)かってぃ、水ぬ便利(びんり)やまあん同(い)ぬむんやしが、昔ぬ暮(く)らし方(がた)あ、井戸次第(かあしでえ)どぅやたる筈やくとぅ、うぬヤンガーぬ成たる後(あと)お、くぬ島(しま)ぬ人(ちゅ)ん達(ちゃあ)や、豊(ゆた)かやいがすたら分(わ)からん。
沖縄(うちなあ)んじえ、今ちきてぃ井戸や御願所(うがんじゅ)やん。
筆:比嘉清。
うぬ井戸はや宮城島んかいあん。1949年んじ=この井戸は宮地島にある。1949年に、
石造いさっとおんでぃち、石碑んかい書かっとおん=石造りされたと石碑に刻まれている。
んちゃ、宮城島や山んあい、いいくる石灰岩とぅ=なるほど、宮城島には山もあり、殆ど石灰岩と
くちゃなかい成とおんでぃぬ事やくとぅ=泥灰岩(土)から成っているとのことだから、
湧ち水んまんどおる筈=湧き水も豊かなのだろう。
他所ぬ所んじえ、昔からぬ井戸や、いいくる=別の場所だと、昔からの井戸は、多くは、
湧ちゅる水ぬいきらくなたい、汚りたいし=湧き水が少なくなったり、汚染が進んでいたりして、
使あらんなとおしぬまんどおしが、くぬヤンガーや=使われなくなっているが、このヤンガーは、
今ちきてぃ、正月ぬ若水とぅか産水とぅしち=未だに正月の若水(聖水)や(赤子の)産水として、
使あらっとおんでぃぬ事やん=使用されているとのことである。
今あ、まあんかい、いっそうから水道ぬ引かってぃ=現代はどこにでも漏れなく水道が通り、
水ぬ便利やまあん同ぬむんやしが、昔ぬ暮らし方あ=水の便はどこも同じだが、昔の生活の便は、
井戸次第どぅやたる筈やくとぅ、うぬヤンガーぬ=井戸に依存していたので、このヤンガーが
成たる後おくぬ島ぬ人ん達や豊かやいがすたら分からん=出来て以後は当島の生活は豊かだったかもしれない。
沖縄んじえ、今ちきてぃ井戸や御願所やん=沖縄では今でも古井戸は拝所である。
筆:比嘉清。
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